英語

2016年1月24日 (日)

Crash & Burn / Lisa Gardner

ヴェロという少女は実在するのかしないのか,そして本当の ヴェロは誰なのか。

読者は何度も何度も騙される。

飲酒運転で,渓に落ちたニッキーは,娘のヴェロがいないことに気づき,超人的な力で川岸から道へ這い上がり,助けを求める。

保安官事務所のワイアット刑事は,緊急治療室でニッキーの夫トーマスに会う。 ニッキーは数ヶ月の間に,この事故を含め 3回も脳震盪を経験して,認知症に近い症状に陥っていると言う。 ヴェロも実在しない …

ワイアット刑事は,一家誘拐事件で一緒に仕事をした,元警官で調査会社のテッサ・レオニとデートするようになっていた。 テッサの娘,9才のソフィーには嫌われてもいないが,まだ懐かれてもいない。しかし真剣に結婚を考えている。

ニッキーは テッサの調査会社に「何らかの」調査を頼んでいて,回答の電話を受けた直後に家を飛び出していた。ニッキーが家を出て,渓に落ちるまで,十数時間の空白の時間があった。

ニッキーは半分混濁しながらも,ワイアット刑事に,事故現場に行きたいと言う。 ただの交通事故が,22年前の悪夢の扉を開ける。 ヴィクトリア調の大きな家に,親から売られてきた少女達 …

事件は大きく広がってしまった。 FBIに事件を持って行かれるまでに一日しか無い。

ワイアットは,ニッキーに関する守秘義務は理解するが,ニッキーを守ることの方が優先するとテッサを説得し,テッサも全面的に協力して捜査を続ける。 ( ボストン警察の D.D.ウォレンも,過去の失踪者の調査に協力して,ちょっとだけ登場する。)

救われない物語だが,最後は,贖罪を含むが苦いハッピーエンドになるのはよかった。

Crashandbrun

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年9月 9日 (水)

Touch & Go / Lisa Gardner

非常によく書かれた作品。 85% くらい読んだところで「あれ,もしかしてこの人物なのかな」と思わせるが,謎解き・論理的にも非常にきれいに完結する。

主役は,州警察官から私立探偵になった テッサ・レオニ。ソフィーという8才の女の子を持つシングル・マザーだが,魅力的な人物像だ。 今回始まったこのシリーズは,続いて行くと思う。  ボストン警察の女刑事 D.D.ウォレン(別のシリーズ)も事件の初めに登場する。

リスクも利益も巨大な建設会社で,自ら現場で陣頭指揮をする社長のジャスティン・デンベ。 ジャスティン,妻のリビー,15才の娘 アシュリンの一家がボストンのタウンハウスから,3人のプロにより誘拐される。 大邸宅はデンベ社により建てられており,セキュリティーが破られるはずは無かったが …

拘束された場所は,デンベ社が建設した,まだ使われていない刑務所だった。 監禁されているうちに,一家が実はバラバラだったことが判る。 ジャスティンは浮気をしていて,それを知った 妻・リビーは鎮痛剤(麻薬)中毒になっており,一家は半年の間,会話をしていなかったに等しく,娘・アシュリンは当てつけのように妊娠していた。

バリバリのFBI も出てくるが,テッサと行動を共にする レンジャーのワイアットがとてもいい。 でしゃばらず,助手席に座っているだけで,テッサを和ませるし,相手の前に座っているだけで,尋問されている人間は自然と話し出してしまう。

しかし Lisa Gardner作品では捜査官の睡眠時間が余りにも短い。 もう少し眠った方がいいように思うのは,大きなお世話か。(^^;

Touchandgo

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年7月 8日 (水)

The Burning Room / Michael connelly

LAでは犯罪が大きく減少したため,Open-Unsolved Unit (未解決事件課)が3倍に拡張された。多くの人員が流入したため,ベテランと若手のパートナーに組み直しされた。

ボッシュは 延長雇用の最後の一年になり,最年長の刑事になっていて,メキシコ系の若い女性刑事ソトとパートナーを組むことになった。ボッシュは,未経験な刑事に何かを伝えられたら,いい終わり方だと思った。

ソトには刑事になった理由があった。 7才のソトがいた無認可保育所があるアパートが放火され,彼女だけが助かり他の子供も先生も死んだ。 ソトは独自にこの事件を捜査しようとしようとしていた。

マリアッチ(メキシコ風の楽団)で演奏していた マーセドは突然腹を撃たれ,背骨で留まった弾丸により 10年後に敗血症で死んだ。 市長のゼヤスはマーセドを政治キャンペーンに利用しており,マーセド殺人はボッシュらに任せられた。

マーセドの背骨から殆ど潰れているとは言え,弾丸が取り出されたことにより,銃器がほぼ特定され,捜査の方向は変わった。

身を削って捜査を続けるボッシュとソト。 やがて,マーセド殺人と放火事件に関係が見え始める。

事件を解決したボッシュは署長に呼び出される。 古い情報が掲載されている資料を見るために,署長室に忍び込んだところが録画されていたのだ。

ボッシュは停職を命じられた上,刑事とは名ばかりで事件ひとつ解決したことのない上司から「君はもうすぐ定年なんだから,もう辞めたらどうだ」とさえ言われる。

荷物をまとめて立ち去ろうとするボッシュに,ソトが拍手を送り,やがて刑事達全員が立ち上がって拍手を送る。

時系列順に書かれるとすると,ハリー・ボッシュ シリーズの次回作はあるのか心配になる結末であった。

Theburningroom

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月27日 (水)

Amazon US から Kindle for Mac に英和中辞典がダウンロードされた

前にも書いたが,Amazonのコレクション(フォルダ分けのようなもの)は Kindle側から操作する仕様なので,とても使いにくいと わたしは思う。 PCを持ってない人でも使えるようにしてるからだと思うけど。

PC / Mac を持っていたら クラウド側から操作できた方が遙かに使い易いんだけど ...

現在 Amazon.com に英語本が 93冊。
Amazon.co.jp に日本語本が 400冊くらい。

これが混ざってしまうと面倒なので,アカウントの統一はしていないし,しなくても良さそう。

Kindle for Mac 1.11.2 を使っていて,ふと単語を右クリックしたら,プログレッシブ英和中辞典がダウンロードされた。 Amazon.com (米国)に紐付けされているので,英和辞典が入手できるとは思っていなかった。 catface

わたし程度の語彙だと,変に難しい(あまり使わない)単語は知っているくせに,ごくふつーな単語を ど忘れすることがある。

正直に言って,中辞典では小説を読むのは無理 (最も語彙のある 英辞郎 8版 でも足りなくて,ネット上の英英辞典も使っているくらい。) だけど,ど忘れ単語を引く必要が無くなる(右クリックすればいい)のは大変ありがたい。

PC /Mac 用の Kindle は copy を全く許さないので,copy してクリップボードに単語が入ったら自動的に辞書を参照するような動作ができない。 つまり,いちいち単語を手入力しなければならない。 (これはこれで,勘違いして覚えてたスペルを発見したりして,悪くはないが,思考は中断される。)

なので,プログレッシブ中辞典でも,英語本を読む効率をかなり上げてくれると思う。

もっと前から使えるようになっていたのだと思うが,今日発見した。 とっても嬉しい。cat

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月 8日 (金)

The Apostle / Jack Kerley

似非宗教家達の計画する プロジェクト 1025-M とは何か?
復活の日に何が起きるのか!

いつも書くけれど,病的な犯行なのに,読後の後味が良いのは,刑事カーソンや同僚たちの心と体が健康だからだ。 南部の自然と食べ物も,魅力的だ。

今回は,再会! というように,かつての登場人物が帰って来る。

刑事カーソンと恋人関係でもあったが,アル中でモビール警察をクビになった,アバ・ダヴェンニール博士は,カーソンの兄・ジェレミーの友人になっていた。
アバは,カーソンの所属するフロリダ州警察に法医学者としてやってくる。

カーソンの新しいパートナーになった,若い女性警官 ホリー・ベラフォンテの切れのあるプロ意識と,特殊警棒の腕前が凄い。

良い?サイコパスの 兄・ジェレミーは,アバの力を借りて,自分を抹殺し,もう警察に追われることは無い。 とんでもない IQで株を動かし,金は幾らでもある。

心理学の修士だったカーソンを刑事にしたかつての相棒,ハリー・ノーチラスは引退して,運転手になるが(刑事の退職金は安いのかな)雇い主は,金儲け似非キリスト教の教祖・オーズリーだった。 ハリーは運転手だけでなく,ボディーガードも頼まれ,カーソンのいるフロリダにやって来る。

信徒が殺到して金をばらまく,宗教的テーマパーク「ハレルヤ・ジュビリー」は胡散臭い場所だった。

ハリーがフロリダに来ていることを知ったカーソンは,ハレルヤ・ジュビリーを観察してくれと頼み,ハリーも運転手より面白いので快諾する。 ハリーと親しくなった オーズリーの16才の娘 レベッカも頭が良く大胆だ。

神の使徒として犠牲を捧げる,ジーザスの後頭部を,背中に入れ墨した男。

犠牲者は娼婦達で,目隠しされたまま鈍器で殴られ,布にくるまれ,ナフサとオリーブ・オイルをかけられ,生きたまま焼かれる。 娼婦達はかつて,ハレルヤ・ジュビリーで働いていた。

Theapostle

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年3月 3日 (火)

The Memory Killer / Jack Kerley ( J.A. Kerley )

犯人が透明人間のように見えずに,振り回される。 しかし,モビール郡の警察からフロリダ州警察に,エリート捜査官として引き抜かれた刑事ライダーは,署内のごたごたから解放され,捜査の方向に苦しみながらも自由に動けるようになった。

複数の同性愛者が,植物由来の毒を盛られ,レイプされたあと,ゴミのように捨てられる。

犯人と思われる DNAが検出されるが,それは自分でベッドから起き上がれないほど肥満した男だった。 その男には生まれてすぐ死んだ一卵性双生児の兄弟がいた。
ライダーは,地元シェリフの協力を得て墓を掘り起こすが,棺は空だった。 死亡証明書を書いた医師は,植物を使う民間療法を行っていたと言う。

やがて犯罪者は,毒だけではなく,物理的な損傷を与えるようになる。やがては犠牲者の顔を … 

刑事ライダーは,異常に高いIQを持つ逃亡中のサイコパスの兄ジェレミーに助言を求めるが … 驚いたことにジェレミーはライダーのかつての恋人で,アルコール中毒だった病理学者 アヴァ博士と共に現れる。

捜査は DNAを追って行われてきた。 しかしそのDNAは …

植物由来の毒は3つ。

robinia = black locust = ニセアカシア/ハリエンジュ  馬や牛が死ぬ例がある
datura = チョウセンアサガオ 幻覚を見る
dieffenbachia = ディファンバキア = サトイモ科の観葉植物 喋れなくなる

日本の野草の本には,ニセアカシアの花はテンプラで食べられると書いてあるが,他の部分に強い毒があることはあまり触れられていない。 牛や馬のように食べなければ大丈夫なのだろうけれど。

Thememorykiller

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年10月 9日 (木)

英辞朗 第8版を評価する

辞書のインストールに 10分かかるようなことが書いてあったが,Late2011 MacBook Pro corei5(SSDに換装済み)で3分くらいしかかからなかった。 少なくとも待ち遠しいようなことは無かった。

オンラインで使えるのにオフライン辞書の意味はと問うなら,SSD上に置いた英辞朗のインクリメンタルサーチは神速である。 どんなに速い光回線でもオーバーヘッドは生ずると思うが,この検索は速いというレベルを超えてリアルタイムだ。

わたしは長い間 研究社リーダーズ英和を信仰していた。 昔,そんなに語彙のある辞書は無かったからだ。 しかしいま,英辞朗の語彙はリーダーズ第3版+プラスを超えている。 LogoVista のリーダーズスペシャルセット2を先に買ったので,違いがよく判る。 スペシャルセットの辞典ブラウザの出来の悪さのせいもあり,リーダーズはいい辞書だろうと思うが,その力を引き出せていない。

英辞朗は基本的に用例集だから,成句だろうが用例だろうが,とにかく検索したい意味がスパッと出てくる。 その素晴らしさ。

わたしはリーダーズ信仰を止めた。 英辞朗は英語本読みのための最高のツールだ。 これが¥2,800と言うのも嬉しい。 cat

| | コメント (0) | トラックバック (0)

LogoVista リーダーズスペシャルセット2 を評価する

わたしが一番しっかり英語の勉強をしている頃は,他にそんなに語彙のある辞書は無く,リーダーズ + プラスが聖書だった。 第3版にはものすごく期待していた。

Macで使える電子版は LogoVista社の リーダーズスペシャルセット2(約1万5千円)だけだ。 研究社が EPWING版を出さなくなったのは非常に残念だ。

スペシャルセットは ¥2,800の 英辞朗第8版に,単純に語彙数で負けている。 英辞朗は正確度が低いと言うバイリンガルもいるが,わたしは使っていて不自然を感じたことはない。 少なくとも,内容が間違っていて意味が取れず困ったようなことはない。

また LogoVista の辞典ブラウザの仕様がよくない。 通常の検索窓の他に「成句」「用例」は別にボタンがあって,それを押さないと検索窓が開かない。 そして「成句」か「用例」か判らない場合(しばしばあると思うpunch)には,両方の検索窓に別々に入力しなくてはならない。

現在のCPUパワーから考えれば,実に変な仕様だ。 検索窓はひとつあればいい。 前方一致等の単純検索,成句検索,用例 を同時に検索して,検索結果に「成句」「用例」と表示してくれればいい。 製品には「これは設計者が使っているな」と思わせるモノがあるが,この辞典ブラウザを設計者が使っているとは思えない。

リーダーズ第3版はたぶん,よい辞書なのだと思う。 しかし,こんな検索ソフトでは活きない。 反対に英辞朗は文例集なので,文例にある限り「成句」だろうが「用例」だろうが,スバッと出てくる。 このストレスの違い!

わたしは,リーダーズ信仰をここできっぱりと止めようと思う。

ついでに。 価格を上げるためなのかコンピューター英和辞典も同梱されている。 しかし,コンピューター英和ほどオフラインに馴染まない辞典も無い。例えば Android も載っていないような辞典が何に使えるのか。 cat

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年10月 5日 (日)

Fear Nothing / Lisa Gardner

8人の売春婦を拷問・殺害して埋めた父ハリー・ディ,サイコパスの姉シェイナ,無痛症の妹アデリーン。 姉は11才で初めて人を殺し精神障害者施設に隔離されるが,患者や看護人も殺して独房に居る。

精神科医になった妹と,姉は月に一度会うようになった。

刑事 D.D.ウォレンは,侵入の形跡の無い犯行現場が,意図的に創り上げられたものだと感じ,ひとりで考えるために,真夜中の犯行現場に戻るが … D.D. は発砲しながら階段を転げ落ち,激しい苦痛を伴う数ヶ月のリハビリが必要な状態になってしまう。

無痛症のアデリーンは,遺伝子学者の養父に育てられて,痛みを専門とする精神科医になっており,D.D.を診ることになる。痛みと対話することにより,痛みはある程度制御できるらしい。

連続殺人者ハリー・ディを模した殺人が次々と起こる。 しかし殺人の動機は思いもよらないものだった。

「愛とは血液だ」とハリー・ディは言った。 痛みを感じない妹アデリーンと愛を感じないはずの姉シェイナは … 血液の色をした耽美的とさえ言えるような …

Fearnothing

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月 6日 (日)

人はなぜミステリー小説を好むのか & わたしの好きなシリーズ物

人はなぜミステリー小説を好むのか。

それは人が殺されるからだ。

たぶんヒトにとって最も重要なのは,誕生と死だ。 しかし,赤ちゃん誕生より,ミステリーの方がずっと書き易いだろう。

英語本の読者(英語学習者含む)にとって,シリーズ物のミステリーほど読みやすいものはない。 第一作を読めば,ストーリーが進行するためのバックグラウンドがほぼ理解できるからだ。

( 辛いのは,単発のハードSFだと思う。 バックグラウンドが私達の日常と全く違うために,一から理解しなければならない。 だから 純SFよりも,テクノスリラーと呼ばれる超近未来SFの方が好まれるのかも知れない。 ← 統計データを全く持たずに推論しています。 )

しかし,最近のミステリーは犯行が病的過ぎて,読むのが辛くなって来ている。 世界的ベストセラーになった ドラゴンタトゥーの女・3部作 だって,犯行は気分が悪くなるほど病的だ。 ミステリーのシリーズ物でも,幼女虐待・子供の虐待を含むものが非常に多くなっていて,読むのが苦しい。

犯行を病的にしなくても,素晴らしくリアルでスリリングな小説が書けるのは,超一流(別格)のMichael Connelly (マイクル・コナリー)くらいしか知らない。 ハリー・ボッシュ・シリーズ最新作が今年中に出るので楽しみにしている。

Jeffery Deaver (ジェフリー・ディーバー)のリンカーン・ライム・シリーズも,キャラが活き活きと動き,ストーリー展開も素晴らしいが,もやはり犯行は病的だ。

人気はいまひとつのようだが Jack Kerley(ジャック・カーリー)のカーソン・ライダー・シリーズは好きだ。 もともと,サイコパス・ソシオパス専門の捜査なので,犯行は病的にならざるを得ないが,カーソン・ライダーの心理的・肉体的な健康さと,著者の故郷である南部の濃密な自然が書き込まれていて救われる。

Lisa Gardner(リサ・ガードナー)は,ストリーテリングに長けている。 D.D.Waren (殆ど邦訳が無いようで発音不明) シリーズの犯行は残酷な虐待が多く含まれる。 今のところ7冊書かれていて,6冊まで読んでかなり辛くなって来ているが,あと一冊なので読んでしまおうと思う。

ミステリー作家の方にはぜひ,これ以上刺激を求めて,より病的にするのは止めていただきたい。 連続殺人は必須ではなく,人が一人 事故死しただけで面白い小説は書けると思うのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧