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2015年4月29日 (水)

衝撃のヘッドホン MDR-CD900ST 今更レビュー

一番衝撃を受けたのは,1989年にリリースされ,1995年から一般にも発売された,このヘッドホンをわたしが知らなかったこと。

理由はたぶん,ピュアオーディオとクラシックから離れていたからだと思う。

ソニーのヘッドホンのサイトで見ても,ちょー目立たない一番下に小さく出ているだけ。 これはソニー本体で売っているヘッドホンではなく,ソニー・ミュージック・コミュニケーションズが出しているからだ。

箱は白箱で,無償保証期間もない。 プロ用なので,落としたり,物理的に過大な力を加えられる可能性があるからだろう。

元々は,当時のCBSソニー信濃町スタジオで使うために開発されたモニターヘッドホンだ。 開発時はバブル景気の真っ只中だったし,徹底的な視聴,試作を繰り返したはずだ。 開発者の話を読むと,視聴とチューニングを 1,000回! 繰り返したという。 今は,コンピュータシミュレーションでかなりのことができるだろうが,現実の視聴とチューニングには敵わないだろう。

900STの存在を知ってからレビューを探すと 「あら探し用ヘッドホン」だとか「とても音楽鑑賞は無理」というも多い。

スタジオモニターなんだから,あら探し用なのは当たり前な気がするし,入っている音が全部聞こえて,音をきれいにまとめたりしないヘッドホンが理想的だと思う。

一聴して驚いたのは,密閉型ヘッドホンと思えない,その音の鮮明さ。 わたしは STAXのコンデンサーヘッドホンで育ったので,クリア過ぎることは気にならない。

低音が出ないと言われているがそんなことはなく,低音をたっぷりと鳴らすのではなく,分解能がよいだけだ。

クラシックと書いたが,わたしが偏愛するのはピアノ曲,特にピアノ独奏曲なので,この低音の出方だと,ピアノの低音がかたまりにならずに,きれいに分離する。

良い点しか見つからないのだが,まず Made in Japan であること。 (中国製になってしまった AKGのヘッドホンを買ったら,高域の付帯音がして,2週間もエージングしたこともあった。)

900STは,買って,ヘッドホンジャックに挿した瞬間から,完全に鳴る。 エージングは要らない。

400g近いヘッドホンも存在するのに,たった! 200gしかなく,一日中使っても疲れないだろうと思う。

プラグが標準プラグで,金メッキなんかしてないのも気持ちがいい。 昔から金メッキには疑念を持っていた。わざわざ「違う」金属を一層乗せて音が良くなると思えない。 錆びにくい,接触が良くなる等の意見もあるが,金じゃなくても錆びないし,ミニプラグに比べてはるかに巨大な接触面積を持っているので,そんな意見は却下する。

周波数特性が,5〜30,000 Hz となっているので,ソニーが 40KHz以上と規定した,ハイレゾ対応の仲間に入れて貰えないようだが,20KHzが聞こえる大人なんていないので,まったく問題無い。 ハイレゾ音源も実によく鳴る。

確かに,気分をゆったりするために音楽を聴く人には向かないかも知れないが,わたしは音楽を聴くときは,音楽を聴くために聴くので,全ての音が聞こえるこのヘッドホンがいい。

たぶん,最高のヘッドホンは STAXだが,高電圧が必要なのに構造が華奢で,取り扱いに気を使う,密閉型にできない,という欠点がある。 静かな部屋に一人で住んでいるのならいいが,ちょっとした生活雑音は遮断して欲しいのだ。

買ってから 3ヶ月,聴く度にいいヘッドホンだと思うし,これぞリファレンスだし,音楽が聴けなくなる日まで,このヘッドホンだけでいいとさえ思う。

小さく軽く,遮音性が高く,音が良い。こんなヘッドホンがたった 1万6千円程で買えるのも凄い。

(注意) 標準プラグなので,そのままでは携帯オーディオ装置では使えない。 ソニーから唯一修理を委託されていて,プラグやケーブル長も変えてくれる,こちらからヘッドホン本体も買うといいと思う。

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