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2013年3月12日 (火)

リヒテル ベートーヴェン ピアノソナタ 30, 31, 32番

ピアニシモの美しい柔らかな演奏。
1991年のライブだが,会場のノイズは殆ど気にならない。 リヒテル(1915-1997)は,76才になっていて,演奏家として晩年の録音だ。

リヒテルと言うと,巨匠,巨人,スケールの大きな演奏というイメージがあるが,一番大切なのはピアニシモだ,という発言もしている。

30, 31, 32番 と言うのは,わたしの一番好きなソナタだ。 ここで音楽は一度頂点に達したと思う。 晩年のベートーヴェンは,自由自在だった。 大切なことを伝えるのに大きな身振りをする必要も無い。

この3曲はベートーヴェンの怪物的な巨きさ(32番で少し顔を出すけれども)よりも,叙情性が支配している。 無駄な音はなく,無駄に分厚い響きは無く,軽やかですらある。 もう,彼は普通の人間には知ることのないステージに居るのだ。

リヒテルはピアニシモを美しく響かせながら,柔らかな演奏を紡いで行く。 もちろん,スケール感が無いということではない。 ただ,そんなに大きな音は要らないんだ,と言っている気がする。 これは美しい演奏だと思う。

聞き終わって,わたしの聖典であるポリーニ(1942 - )の75-77年の演奏を聴いてみた。 当時 34才のポリーニは,目眩く技巧で,美しく叙情的なピアニシモと圧倒的なフォルテシモで弾いてゆく。

録音当時,ベートーヴェンにこんなフォルテシモは必要なのか,という議論があったと思う。 そして音楽好きは,この演奏を破綻無く再生するオーディオ装置に苦労した経験があるはずだ。

ポリーニの演奏は聴く者を「音楽的に」圧倒する。

だが,巨人リヒテルの,この柔らかな演奏もとても美しい ...

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