« 赤城山 覚満淵のカモ | トップページ | 三波石峡1 »

2012年9月28日 (金)

The Death Collectors / Jack kerley

この作品には,本当に本物のサイコパスが出てくる。 弱点のある人間を自在に操り,自分のエゴと欲望を満たすためなら,何のためらいもなく人を殺す。 わたしは,ミステリーは謎解きを楽しむより,謎がほどけて行くのを見るのが好きなので,解けなくてもいいのだが,誰がサイコパスだったかには驚いた。

カーソン・ライダー シリーズ2作目。
この本は,本格ミステリ作家クラブから 2000〜2009年の10年間に翻訳されたミステリの中から最優秀作品として選ばれた。読んで十二分に納得した。 丁寧に書かれた作品だ。

Carson と Harry は連続殺人犯を逮捕したことにより,市長から表彰される。

絵画の断片を受け取った弁護士が失踪する。

モーテルで,蝋燭に囲まれた女性の絞殺死体が見つかる。

Carson と Harry は,PSIT(精神病質者社会病質者捜査チーム)に所属しているが,所属しているのはその二人だけだ。 元々,米国の犯罪の精神病質者的傾向が高まったとの指摘を受け,マスコミ受けするように作られたものなのだ。

引退した刑事から電話がかかり,30年前に死んだ 天才画家・精神病質者Marsdenとその崇拝者が浮かんでくる。

モーテルで惨殺された女性は,修道院に助けを求め30年間労働し続けた尼僧メアリーで … Marsdenから逃亡して来た元崇拝者だった。

チャンネル14の女性リポーター  Danburyが Carsonに付きまとうが,Carson がしつこいカメラマンの胸元を掴んだことから,署長に正式に抗議が入り,Carson達は Danburyに情報を流すよう命令される。 しかし,この女性レポーターは大活躍することになる。

精神病質殺人者の残した記念品を欲しがり,集め,売りさばくマーケットがある。 顧客は皆,大金持ちだった。

メアリーに送られた切り取られた絵画(約30年前のものであることは,炭素14で確認されている)を分析すると,絵の下に更にスケッチがあることが判った。 それはエッフェル塔を背にした Carsonの姿だった。

Carson は30年前の事件を追ってフランスへ飛ぶことになる。 一緒に行くと言い張る Danburyは祖母とフランス語で話していたことが判った …

でかい黒人の Harryが,口を割らないブローカーに飛びかかるが,それを Carsonが止めようして,二人は壁をぶち抜く勢いで … という芝居を半年前から練習してあったなんていうのは,楽しい。 相手に暴力はふるっていないが,同じ効果がある。

おぞましいサイコパス物なのに,読後感がいいのは,HarryとCarsonの信頼関係が安心できること,深く暗い過去を持ちながらも,健康な精神を持つ Harryのお陰だと思う。

Thedeathcollectors

|

« 赤城山 覚満淵のカモ | トップページ | 三波石峡1 »

」カテゴリの記事

英語」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/501616/55762785

この記事へのトラックバック一覧です: The Death Collectors / Jack kerley:

« 赤城山 覚満淵のカモ | トップページ | 三波石峡1 »